江ノ島ヨットハーバーにアクセス・ディンギーの常設を願う

要  望  書

 

 日頃、私たちの暮らしと環境整備に向けご尽力賜りありがとうございます。また、貴職の県政への熱意と誠意に敬意をもって感謝申し上げます。

 

 さて、この度、障害者・高齢者用ヨットとして開発されたアクセス・ディンギーを江ノ島ヨットハーバーに常設できるよう、是非ともご検討いただきたく、ここに要望致します。

 

 アクセス・ディンギーとの出会いは、私どもにとっても新しい体験です。障害者でも高齢者でも、安全で簡単に操船できるよう開発されたヨットは、一般の健常者にとっても、広くヨット体験の門戸を開くものであります。

 これまで、スポーツとしてのヨットは、限られた人たちのもので、縁のないスポーツとして受け止めてまいりました。それが、このアクセス・ディンギーに試乗することで、海と風とセーリングの体験は、すべての人にとって、手軽に自然と交感できるものと教えられました。「すべての人にセーリング体験を」と願う《湘南セーラビリティ》の皆さんの姿勢は、障害のあるなし、能力のあるなしを問うことなく、すべての人々と共によりよく、より楽しく生きることを教えていてくれるものと思います。

 

 また、この神奈川県は、美しい海岸線が連なる湘南や三浦半島などの魅力あふれる自然を抱えています。しかしながら、自然と交感する体験が希少化する現代、とくに、子どもたち自身がその恩恵にふれることはむずかしくなっております。子どもたちにも簡単に操船できるアクセス・ディンギーが身近に常設されていれば、ヨット体験を通じて、多彩で魅力ある「ふるさと神奈川」の自然を子どもたちが心に刻み、そのことが「ふるさと神奈川」をさらにすばらしいものにして、将来の世代に引き継ぐための原動力となっていくことと存じます。特に、県内に住む者にとって、江ノ島が交通の便の良いことも、大きな魅力です。

 

 何よりも、行動の制限を受けやすい障害者にとって、江ノ島ヨットハーバーが新しい行動の拠点となってくれることを期待しております。学校の週休2日制が完全実施となってから、障害を持つ子どもたちの場所を積極的に整備することは、切実な願いでもあります。

 

 以上を踏まえ、以下のように要望申し上げる次第です。

 

1.江ノ島ヨットハーバーにアクセス・ディンギーを常設してください。

 

2.障害者をはじめすべての神奈川県民にセーリング体験を提供する環境を整えてください。

 

 3.アクセス・ディンギーによるセーリング体験を援助する《湘南セーラビリティ》の活動に理解と援助の手を差し伸べてください。

 

 

 社会環境の複雑化に伴い、今、私たちはどのように生きることが、本当に価値ある人間らしい生き方となるか、思い悩む毎日を過ごしております。「すべての人にセーリング体験を」との願いは、ヨット体験の有無に関わるだけでなく、だれとどのような社会を築いていくか、という課題に通底するものと捉えております。

 貴職におかれましても、ご賢察を賜り、この要望につきまして、同じ願いでご検討いただければ、幸甚です。

 どうぞ、宜しくご配慮賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

敬 具

 

2002年9月1日

 

神奈川県知事

岡崎   洋     様

 

                   相模原市相模大野9−6−18 

田嶋 いづみ